2017年11月22日水曜日

【再掲】三角関係という責め苦③

サイコパス人間のもう一つの得意技。
それは、自分の周囲を「与える人(givers)」
...つまり、人の世話をすることに自らの存在価値を見出すような、自信の無い人...でガッチリと固めることだ。
交際中のあなたが相手にどれほど尽くそうと、大してありがたがられないばかりか、「代わりなんて他にもいるよ」と言わんばかりの態度が返ってくるのも、取り巻き連中のおかげで強気に出られるからだ。


彼らは、あなたと異なるタイプの人々を賞賛するようになる。
あなたとは似ても似つかぬ、全く逆の性質を持つ人をほめ称えることだってあるだろう。

いずれの場合も、そうした言動から伝わってくるのは、

【あなたは、もう特別な存在でなくなってしまった】
【あなたは、所詮置き換え可能な存在に過ぎない】

という、実に露骨なメッセージだ。


彼らが「当然受けてしかるべき賞賛」を、あなたが十分に与えなかった、としよう。
心配要らない。
サイコパス人間は、常に他の供給ルートを確保しているからね。


また、あなたがどれほどポジティブな関心を寄せようと、結果は同じ。遅かれ早かれあなたは飽きられる。
そう。
彼らは、あなたのことなど、必要としていない。
実際、彼らの周りに群がる取り巻き連中には散々甘やかされているし、今後もその状態が変わることはないだろう


そんな彼らの姿を見せつけられると、あなたも「この人、やっぱり素晴らしい人に違いない。」とつい、信じてしまいそうな誘惑に駆られるかもしれない。
だが、よくよく周りを見回してみるがいい。
サイコパス本人、そしてその取り巻き連中。
何とも言い難い、みじめったらしい雰囲気を漂わせていることに気が付くはずだ。


さて、三角関係も最終局面を迎えた。
サイコパス人間は、とうとうあなたを切り捨てる決断を下す。
この時点から、彼らは堰を切ったようにあなたに向かって不平不満をぶつけてくる。
「もうこんな関係にはうんざりだ」
「付き合っていても楽しくない」
「君の行動にはもうついて行けない」といった具合に。


そこで新たな人物が話の中に登場してくる。
大抵の場合、それは「ある親しい友人」。
サイコパス人間は、あなたとの間に起こっている問題を、この「友人」にあること無いこと事細かにぶちまけたらしい。
そして、「その彼女/彼氏との関係、あまり健全じゃないと思う。」との同意を得た、という結論部分だけ取り出してあなたに伝える。


相手が陰でそのような工作活動をしているなどと夢にも思わないあなたは、サイコパス人間をつかまえようと必死にコンタクトを取ろうとする。だが、それも相手は全て平然とスルー。
「問題があるのなら、どうして直接私に話さないのだろう...だって、これ、他ならぬ私たち二人の問題じゃない?」
話が全く見えていないあなたは、ただ途方に暮れるばかりだ。


あなたの「どうして?」への答え、奴らに代わって僕が教えようか。


要するに、あなたを切り捨てるという結論は、奴らの中でもうとっくの昔に出ていたんだよ。
...今はただ、あなたを苦しめることだけしか考えていないはずだ。


【参考資料】 
「(...)モラル・ハラスメント的なコミュニケーションにおいては、加害者は言葉を奪うことによって、被害者が考え、理解し、行動することができないようにする。会話を拒否することによって、加害者は目に見えない対立を深刻化させ、それどころか、現実に起こったことの責任を全て相手に押しつけることすらできるのである。
(中略)
対話を拒否するというのは、言葉にはよらない形で、『あなたには興味がない』と伝えているということだ。あるいは、『あなたなどは存在しない』と...。」(pp.168-169)

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では、この辺でサイコパス人間が主演を務める三角関係劇に絡んでくる主な登場人物・3組を紹介しよう。


サイコパス人間は、この劇ではいずれの相手役に対しても別の仮面、そして別の振舞い方をうまく使い分けなければならない、という非常に難しい役どころを演じている。


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キャスト1.あなた
たいていのまともな人間は、交際相手に浮気したことが発覚した時点で「気まずいな」「後ろめたいな」と感じるものだ。


だけど、サイコパスは違う。
あいつらは、自分が不貞行為を働いたことをわざわざあなたに知らせようと裏工作するんだ。
もちろん、自ら進んで口を割るようなことはしない。


たとえば、悪びれずに誰かといちゃついて見せる(Facebook上でやることが多い)というのもそうした裏工作の一つ。
また、「〇〇、俺と寝たいと言ってるらしいよ」と自慢気にあなたに向かって言ったりもする。
その言葉に対してあなたが不快感を示すと(当たり前だ)、「君、おかしいよ」「また嫉妬してるんだろう」と非難めいた言葉で応戦してくる。


このサイコパス人間は、あなたと向き合う場面ではこそこそと怪しげな振る舞いをし、曖昧かつ上から目線な物言いばかりしているはずだ。
あなたが「私たち、こんな調子で本当に大丈夫なんだろうか」と疑心暗鬼状態からなかなか抜け出せないとしても、無理は無い。



キャスト2.新たなターゲット

この時点では、まだ新ターゲットへの攻撃は開始されていない。
その代わり、サイコパス人間はあなたに続く犠牲者となるであろうこの新ターゲット(「お気に入り」)を近くにおびき寄せるための作戦として、間もなく目の前で始まるあなたの自滅劇をちゃっかりと利用する気まんまんでいるのだ。


あなたは崩れ落ちそうになりながらサイコパス宛に何度も何度も必死にメッセージを送るはず。
あいつらはそのメッセージをそのまま新ターゲットに見せる。
そして、「ほら、あいつはここまでおかしくなってるんだよ。」と嘆いて見せて、新ターゲットからの同情を買うんだ。


これ以降、あなたに代わって新ターゲットがサイコパス人間の賞賛を一身に受け始める。
「今は信じられないくらいハッピーだよ」といちいちあなたとの比較を交えて説明するから、当然、新ターゲットは有頂天になるよね。
何たって、自分は「虐待」していた最低パートナー(あなた)からサイコパスを救い出した功労者なのだ。浮足立つのも当然だ。


新ターゲットにサイコパス人間が見せるのは、「無実の被害者(加害者はあなた)で、(あなたの魔の手から)救出してもらいたがっている人」という仮面。
奴らは、新ターゲットの耳元にささやく。
「本当に君のおかげで助かったよ。君のおかげでまた幸せな日々が戻ってきた。」



キャスト3.ファンクラブ/取り巻き

サイコパス人間にとってのもう一つ大事なエネルギー補給源となるのが、彼らを取り巻くその他の友人関係である。


どれほど鈍感な人であっても、傍から見ていれば、親密な恋愛関係に激震が走った時は「何かあったんだな」と直感せざるを得ないものだ。
だからこそ、サイコパス人間は次の行動に出る際にも慎重に慎重を重ねる。不貞行為を大っぴらに行い、こちらの犠牲者をまた次の犠牲者に一気にすり替え、といった野暮なことはしない。
全ては秘密裏に進行させていく。


そこで奴らが利用するのが、友人たちである。
今、付き合っている相手との間に問題が生じていて、自分がどれほど辛い思いをしているか。
サイコパス人間は、そんな悩みを複数の友人たちに向かって切々と、深刻な調子で訴える。
薄っぺらいお世辞の一つや二つもサービスしてやればいいさ、そうすれば自分を裏切るようなことはしないだろう、と、嫌らしい計算を働かせながら。
要するに、これから発生するかもしれないダメージに対しての予防線を張っておきたい、というわけだ。


明らかに不貞行為をやりながら、それでもなお、友人の前ではいい顔していたい。好人物として評価されたいんだよね、あいつらは。
だから、いついかなる時でも応援してもらえて、拍手喝采をくれるような自分専用のファンクラブをがっちりと確保しておくことが一層大切になってくるんだ。



新ターゲットのお披露目を行い、「今は最高の毎日だよ!」と発表する。
そのような場面でも、ファンクラブ会員には自分の選択を100%サポートし続けてもらいたい、と思っているらしい。


その一方で、サイコパス人間が「友人」、つまり取り巻き連中からますます応援されればされるほど、それに反比例するかのようにあなたの混迷度は一層悪化していく。
「みんな、どうしてあんな人の言い分を鵜呑みにするんだろう?」
あなたには、友人達から寄せられる好意的な反応が不思議でならない。


無理も無い。
このサイコパス人間がファンクラブに見せている顔は、あなたが見ているそれとは全く違うのだからね。
相手によって、見せる仮面がまるで違うんだよ。


話好きで、チャーミング。
気の毒に、と慰めの言葉を必要としている。
とりあえず、取り巻き連中の目に映るサイコパスはそのような人物である。


新ターゲットのお披露目にあたっても、「おめでとう!」「良かったね!」というポジティブな言葉を浴びせかけてもらえれば、たちまち元気が回復。
喉から手が出るほど欲しい一座からの声援を受けて、その大根役者ぶりにもますます磨きがかかっている。