史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)②

(①はこちらから。)
3. ジキルとハイドは交替制


以前、5人グループで夕食に行ったときのこと。 
例のスピ系自己愛男が「今日は僕が払うから」と言い張り、みんなの食事代を負担したことがあった。 


翌日、「さぁ、今日から旧正月!」と意気揚々と起きてきた私に、男はいきなりわめき出したのだ。 
「早く金返せよ!お前のせいで、金無くなっちまったんだから!」
 友人たちの前で、あれほど「魅力的で、気前の良い」すてきな人を張り切って演じていたのに、何なの、これ。 


この男、みんなを誘っておいてさんざん飲み食いし、チップもはずんでおきながら、家に着くと「お前のせいで!」と私をなじり始めた。
「あんな阿呆ども、反吐(へど)が出る。嫌いだね。」 
「あんなに金、使うんじゃなかった」
言ったところで後の祭りなのに。 


しかも、私が自分の意見をはっきり主張した時には、
「物事の良い面を見てないね。スピリチュアルな見方をするなら、君は人間ができてない、ってことだ」
と屁理屈が返ってくる。 

だが、付き合いが深まるにつれて、私は少しずつこの男に調教されていった。 
ひどい扱いを受けている私に向かって「感謝の気持ちを忘れるな」とほざく、あんな男に。 
しかも、いつ、何が引き金となって性格が豹変するのか、全く読めなかった。
毎日がただただ恐怖の連続だった。 


どうやってこのことを他の人に相談すればよいのか。
私は途方に暮れるばかりだった。
だって、よその人から見ればあの男は「いい奴」「スピリチュアルな人」そのものなのだから。
「まさかあの人が」と言われるのがオチだ。


 これから私の言うこと、しっかりと読んでほしい。


ナルシシスト(自己愛人間)って、自分にとことん自信が無いのだ。
ぼろぼろに壊れかけた「ほんとうの自分」から逃れたくって、目をそむけたくって、【理想化された自分】の方を周囲に猛アピールせずにはいられない。
そういう人々なのだ。 


でも、いつか必ず、その仮面が剥がれ落ちる日が来る。 
誰だって、永遠に役柄を演じ続けることなんてできないのだから。 
仮面が落ちた時に現れた顔こそが、そいつの真の姿だ。
あなたと二人きりになって、密室にこもった時に見せる、あの顔。
くれぐれも見誤らないようにね。
そして、そいつが少しばかりの情けをかけてくれたからといって、一旦離れた後は二度とよりを戻してはいけない。 元の木阿弥(もくあみ)となるだけだから。 



4.スピ業界の専門用語で威嚇する


彼は、大して親しくもない人を相手にして、自分のスピリチュアルな物の見方をゴリ押しすることがよくあった。
それを見るたびに、私は顔から火が出るほどの恥ずかしさを覚えたものだ。


あの男と別れた後で、女友達がこっそりと打ち明けてくれた。
 「あの人、自分がいかにスピリチュアルな人間なのかってこと、しょっちゅう自慢してたわよ。」


他のスピリチュアル・ナルシシスト(スピ系自己愛)同様、彼もよくこの手の言い回しを使っていたっけ。

...誰かのせいで腹が立つのではない。腹が立つのは、自分のせい。

 ...「自分」なんて、存在しない。だから「自分の価値 self-worth」なんてどうでもいいんだ。くだらない。 

...世界は自分を映し出す鏡。世界が残酷と感じられるならば、それはつまり君自身が残酷な奴、ってことだ。 

結局、どれもこれもあの男の悪行三昧を正当化するための文句ばかりではないか。
あの男は、スピリチュアルな文章から、単に自分に都合の良い「言い訳」を拾っていたに過ぎなかったのだ。


作家・ジェフ・ブラウンは、こうした戯言を「スピリチュアル・バイパス[霊的な迂(う)回路]」と呼ぶ。【※注】


...苦しみなんて存在しない、と自分をごまかして、われわれの人間らしさを超越しようとする。それが「スピリチュアル・バイパス」だ。 


【※注:ジェフ・ブラウンは、1962年生まれのカナダ人作家。元犯罪専門の弁護士で、後に心理療法家へと転身。主に心理学やスピリチュアルな題材について執筆活動を続けている。自分の内面を見つめるためのオンライン文章講座やワークショップなども頻繁に開催。 
Jeff Brown 公式HP:http://soulshaping.com/ 

ただし、この「スピリチュアル・バイパス(spiritual bypass)」という言葉を最初に使い始めたのは、臨床心理学者で心理療法家のジョン・ウェルウッドJohn Welwoodだ、というのが定説である。 

若い頃にはサンフランシスコ禅センターに出入りしたウェルウッドは、最終的にはチベット仏教寄りの立場に落ち着いたらしい。
John Welwood公式HP:http://www.johnwelwood.com/index.htm
 ウェルウッド自身がこの本の冒頭部分で「スピリチュアル・バイパス」という言葉を1984年に最初に使った、とはっきりと述べている。


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そういえばモニーク(・ウィリアムズ、①で既出。スピリチュアル・コーチ。)も言っていたっけ。

 「中途半端にスピリチュアルな教えをかじっただけの人には、感情的な事柄を抑え込んでしまうケースが見られる。自分が進化・発展したいからこそスピリチュアルなことを学ぶのに、これでは本末転倒。」


誰かから「こうしろ」「ああしろ」「~するべからず」と言われた結果、身動きが取れなくなったり、自分はダメ人間だと感じたりしたのならば、きっとその教えはあなたのためになってない。


 私たちを自由に解き放ってくれる。 
それが、スピリチュアリティ(霊性の学)の本来あるべき姿だと思う。





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自己愛的な「スピリチュアル指導者」を見抜けなかった私
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史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)①
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史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)②
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史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)③
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